(その1より続く) いろいろなポーズの習作を何体も制作した結果、ロダンが最終型としたのは、なんと、ガウンをまとった手足や体の見えない異形のバルザック像(右写真)でした。
7年間も待たされたあげく、依頼主の要望も無視したような作品が出てきたわけですから、フランス文芸家協会が怒ること、怒ること…。受け取りを拒否したとか。
ガウンの中でのバルザックのポーズも問題となりました(実際には見えないのですが、普通に腕組みしたポーズではありません)。世間の評価も低く、「失敗作」として非難ゴウゴウ。ロダンの生前は全く評価されず、発表後の十数年間、アトリエの片隅で埃を被っていたそうです。
…と、以上のようなエピソードや背景を知っていると、「裸のバルザック」と「バルザック像」を結ぶ「線」や「位置関係」が見えてきて、理解が深まりますよね。ロダンの場合、他にもいろいろエピソードがあるので、調べてみると面白いと思います(^^) by dan