(「ゴホンと言えば…」より続く) 私が学生時代に読んだアランの「幸福論」は現代教養文庫版(宗左近訳)。実家にまだあるはずですが、わざわざ取りに帰るのも面倒ですし、最近、文庫は文字が小さくて読みづらいので^^;;、新たに買い求めることにしました。
まず購入したのが、ワイド版岩波文庫(神谷幹夫訳)。判型を大きく、読みやすくしたもので、内容は岩波文庫と同じ。早速読み始めたのですが、どうも意味が取りにくいところがあるのです(ちなみに、アランはフランス人なので、「幸福論」はフランス語で書かれています。念のため)
そこで、白水uブックス版(串田孫一、中村雄二郎訳)を取り寄せて該当箇所をチェック。それでも分かりづらい箇所があったので、(活字が小さいので敬遠していた)集英社文庫版も取り寄せ、三つの翻訳を比較することに…。
読み比べてわかったのは、別の翻訳を読むと内容がすっと頭に入る場合もありますが、どの翻訳でも意味がつかみにくい文章があるということでした(100年近く前に書かれたものなので、現代のフランス人にとっても難解な文章が何箇所もあるらしい)。従って、必ずしも翻訳が悪いわけではないのです(続く)