Author Archives: dan

日本から欧州に伝わったイチョウ


右写真は、大阪市北区の某公園風景。黄色いイチョウの落葉が鮮やかで、絨毯のようです(クリックで拡大)

日本では昔から普通にみかけるイチョウも、17世紀のヨーロッパでは、既に絶滅した「化石の木」とみなされていたとか。したがって、当時、来日したケンペルによって「発見」され、ヨーロッパに紹介されたイチョウは(今で言えば)「シーラカンス発見!」級の驚きをもって迎えられたはずです(^^;;

余談ですが、ケンペルが著した「日本誌」の図版をみると、京都や江戸の詳細地図まであり、ビックリします(→こちら)。ある意味、情報筒抜けですね。幕末に来航したペリーも精読していたそうです。

以前ご紹介した「野いばら」は、現在のバラの原種の一つが日本からイギリスに伝えられた際の悲恋話を軸に展開する物語でした。300年前のイチョウといい、150年前のバラといい(こちらは創作ですが)、江戸時代の日本は意外に世界と繋がっていたようです(^^) by dan

薬師寺の坊さんがやってくる/根来穆道さんのお話 その2


その1より続く) 先日行われた和田萬さんのイベント報告その2です。

後半のお茶タイム(質疑応答)では、お坊さんの日常生活の裏話も出ました。執務を終えた夕方5時以降は自由時間、つまり「アフターファイブ」があるとか(笑)、繁忙期(=修学旅行シーズン)は「残業」が多いとか、会社員と同じだそうです(^^)

そういえば、「ファンシイダンス」という映画(右写真。モックンがカッコいい)で、彼女とデートしたり、スナックに行くお坊さんが描かれていましたが、これに近いこともあるんでしょうか?(^^;;

楽しい話で盛り上がりつつ、たくさんの気付きを頂いた一時でした。根来穆道さん、本当にありがとうございました。ののさん差し入れのスコーン(美味!)に、和田萬さんからのお土産もあり、至れり尽くせり。大満足の一夜に合掌(-人-) by dan

ご参考  和田萬  奈良薬師寺公式サイト  薬師寺21世紀まほろば塾

薬師寺の坊さんがやってくる/根来穆道さんのお話 その1


先日、12/9に行われた、和田萬さんのイベントの御報告です(^^) (概要はこちら

講師は、薬師寺の根来穆道(ねごろぼくどう)さん。会場の反応に合わせて緩急自在、聞き手を飽きさせません。お茶タイム(質疑応答)を含めて、あっというまの2時間でした。

前半は、持参された写真ボードも使って「塔」の由来(土に草を合わせる=墓)、お「経」の本来の意味(たていと←だから”経線”という)、「四苦八苦」「合掌」等々、我々が無意識に使っている言葉を手掛かりに、仏教の考え方について分かりやすく説明して頂きました。

このようなカタい話も「つかみ」がうまいのです。例えば、「合掌」を説明する際の「幸せ→不幸せ→詰め合わせ」の三段活用には感動しました(^^) by dan (その2へ続く)

月に吠える/中之島公園の放水


前回の皆既月食に引き続き、月に関する話です。

天神橋を渡っていた際に、タイミングよく、月に向かって放水しているかのようなショットが撮れました。満月-厳密には、十六夜-をバックに、このような写真を撮るには、様々な条件が重ならないと難しいでしょう(^^)

中之島公園の東端(剣先地区)の放水は30分に1回行われています。昼間だと、消防放水あるいは小便小僧が頭に浮かんでしまい、あまり風情を感じないのですが(スミマセン^^ )、ライトアップされると、ロマンチックな雰囲気になりますね。 by dan

PS 明日14日から25日まで、「OSAKA光のルネサンス」が開催されます。

皆既月食/半年後には金環日食


昨晩(12/10)は、日本全国で観察可能なものとしては11年ぶりの皆既月食だったそうです。22時頃から約2時間という観測しやすい時間帯、晴れの地域が多かったこともあって、ご覧になられた方も多いと思います。あす香からも観察できました(^^)

少々残念だったのは、月食の様子をデジカメにうまく収められなかったこと。最新の高ズーム機種であれば、手持ちでも撮れたかもしれませんが…。ということで、右の写真は、他のサイトからお借りしたイメージ画像です(^^;;

ところで、半年後の2012年5月21日には、金環日食があります。太平洋沿岸を中心にかなり広範囲で観測できるようです。私の場合、今まで日食をきちんと肉眼で見た記憶が無いので、今から楽しみです。

その時、どうせなら、右のビルの屋上で観測できれば言うことなしですね。その名も「日食ビル」。大阪市北区野崎町にあります。株式会社日食さん、絶好のPR機会ですよ(^^) by dan

梶村啓二「野いばら」/第3回日経小説大賞


前回の噺家による傑作エッセイ「赤めだか」に引き続き、今回は会社員が書いた傑作小説の話です。

久々に小説を新刊で購入しました。梶村啓二氏の「野いばら」。10月に発表のあった「第3回日経小説大賞」の受賞作です。自慢になりませんが、今年のベストセラー小説は全て”未読”という私にしては極めて珍しい行動といえます(^^;;

何故か?選考委員激賞の「ストーリーを支える圧倒的な文章力」という論評に惹かれたこともありますが、もっと個人的な理由でした。

作者の梶村氏(右写真)を間接的に知っていた為です。新聞発表を見て「あれ?」と思ったら、やはりそうで、弟(大学の映画研究会に所属)の先輩。学生だった弟からよく話を聞かされていた人物でした(ちなみに梶村という名前はペンネーム)。私の実家に遊びに来たこともあるらしい。

大学卒業後、広告代理店勤務。少なくとも、若い頃の梶村氏は、小説家志向ではなかったと聞いています。それが、「読んでいて快い名文」「完璧な信頼おける文章」と選考委員会に言わしめ、満場一致の受賞です。スーパーサラリーマンと呼ばせて頂きましょう^^

…とまぁ、そんなこんなで読み始めた「野いばら」。期待に違わぬ素晴らしい作品でした(下写真は、12月6日に行われた授賞式の様子/日経新聞より)

海外出張中の日本人、縣(あがた)が、100年以上前に書かれた英国情報士官の手記を読む機会を得ます。現代のイギリスと幕末の日本という二つの時空を行き来して進行する物語。音楽的に言えば、主旋律と副旋律の二重奏。

それが、いささかの綻びも感じさせず、すっと読めてしまうのは、やはり文章の力であり、優れた構成力のなせる技でしょう。悲恋話なのに、さわやかな読後感。新人にしてこの完成度です。次作も目が離せませんね(^^) by dan

立川談志の話/「赤めだか」


先日(11月21日)、立川談志が亡くなりました。江戸落語(上方落語に対してこういうらしい)については、TVの「笑点」やバラエティ番組を通じて断片的に知るだけです。従って、談志について語る資格はありませんが、「赤めだか」が素晴らしかったので、その紹介ということで…(^^;;

赤めだか」は、談志の弟子、立川談春が書いたエッセイ。2008年の発刊当時、落語家が書いた文章としてあまりに際立っていた為、話題となった本です。普通、噺家としての才能と、文才は両立しませんから…(^^;;。ともあれ、談春のおかげで、談志が天才と言われる由縁が記録として残りました。

ちなみに「赤めだか」とは、談志邸の庭で飼われていた金魚 -いつまでたっても大きくならない- を揶揄して、談志の弟子達がつけた名前です。

例えば、談春に対して、「形なし」と「型破り」の違いを説明し、落語の「メロディ」を崩してはいけないと諭す場面。極めて論理的です。たけしもそうですが、東京の芸人はハチャメチャに見えて、実は、非常に勉強家でクレバー。他にも鋭い名言が随所に…。

最後は、談志と彼の師匠の小さんの人間味あふれるエピソードにホロリ。落語をあまりご存じない方にもお薦めです(^_-)☆ by dan

晩秋のタンポポ/涙の数だけ強くなれるよ


これは、先日、滋賀で見かけたタンポポ。まわりの木々は紅葉しつつある時期です。あれ、こんな季節(11月)にタンポポって咲いていたっけ?と思って調べると

(タンポポには)日本に生育していた在来種と、近世に海外から持ち込まれた外来種が ある。在来種は外来種に比べ、開花時期が春の短い期間に限られ(る)[Wikipedia / タンポポ>日本における在来種と外来種]

だそうです。つまり、私が頭に思い浮かべていたのは在来種。この写真のタンポポは外来種=セ イヨウタンポポで、あまり季節を問わずに咲くようです。今まで気付きませんでした。ともあれ、タンポポが咲いている様子は「TOMORROW」の世界ですよね。ということで最後に一曲…(^_-)☆ by dan