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「菜根譚」の話/菜根中有真味


danです。昨日は「玄米工房あす香」の最終営業日でした。ランチは予約だけで24名ものお客様が来られ、夜も多くの方に囲まれての「打ち上げ」となりました。12年間、本当に有り難うございました。

店主は今のびております(^^;;。後日あらためて御挨拶させて頂きますm(__)m

さて…。『菜根譚』(さいこんたん)という中国の古典があります。人生指南の書として、多くの愛読者がいるのは、皆さんご存じの通り。ちなみに『菜根譚』という題名は「人、菜根を咬み得ば、百事なすべし/野菜の根(粗末な食事)をかじって飢えをしのぐような貧窮の生活の中に、大事を成し遂げる素地が形成される」という話から来ています。

久しぶりに読み直し、前書きに「菜根中有真味」という六文字を再発見。シンプルでありながら深い一節だと思いました(新生あす香で使わせて頂くかも…^^)。読む度に何か発見があるのが、古典のよいところですね。

『菜根譚』には、いろいろなバージョンがありますが、読むのであれば、漢語の持つ雰囲気を味わうためにも、漢文/書き下し文が併記されているものをお勧めします。全部で約360段あるので、一日一段ずつ読み進めれば、ちょうど一年で読了します(^^) by dan

PS 『菜根譚』を個人で現代語訳(超訳)されたバージョンがネットで読めます(→こちら

梶村啓二「野いばら」/第3回日経小説大賞


前回の噺家による傑作エッセイ「赤めだか」に引き続き、今回は会社員が書いた傑作小説の話です。

久々に小説を新刊で購入しました。梶村啓二氏の「野いばら」。10月に発表のあった「第3回日経小説大賞」の受賞作です。自慢になりませんが、今年のベストセラー小説は全て”未読”という私にしては極めて珍しい行動といえます(^^;;

何故か?選考委員激賞の「ストーリーを支える圧倒的な文章力」という論評に惹かれたこともありますが、もっと個人的な理由でした。

作者の梶村氏(右写真)を間接的に知っていた為です。新聞発表を見て「あれ?」と思ったら、やはりそうで、弟(大学の映画研究会に所属)の先輩。学生だった弟からよく話を聞かされていた人物でした(ちなみに梶村という名前はペンネーム)。私の実家に遊びに来たこともあるらしい。

大学卒業後、広告代理店勤務。少なくとも、若い頃の梶村氏は、小説家志向ではなかったと聞いています。それが、「読んでいて快い名文」「完璧な信頼おける文章」と選考委員会に言わしめ、満場一致の受賞です。スーパーサラリーマンと呼ばせて頂きましょう^^

…とまぁ、そんなこんなで読み始めた「野いばら」。期待に違わぬ素晴らしい作品でした(下写真は、12月6日に行われた授賞式の様子/日経新聞より)

海外出張中の日本人、縣(あがた)が、100年以上前に書かれた英国情報士官の手記を読む機会を得ます。現代のイギリスと幕末の日本という二つの時空を行き来して進行する物語。音楽的に言えば、主旋律と副旋律の二重奏。

それが、いささかの綻びも感じさせず、すっと読めてしまうのは、やはり文章の力であり、優れた構成力のなせる技でしょう。悲恋話なのに、さわやかな読後感。新人にしてこの完成度です。次作も目が離せませんね(^^) by dan

立川談志の話/「赤めだか」


先日(11月21日)、立川談志が亡くなりました。江戸落語(上方落語に対してこういうらしい)については、TVの「笑点」やバラエティ番組を通じて断片的に知るだけです。従って、談志について語る資格はありませんが、「赤めだか」が素晴らしかったので、その紹介ということで…(^^;;

赤めだか」は、談志の弟子、立川談春が書いたエッセイ。2008年の発刊当時、落語家が書いた文章としてあまりに際立っていた為、話題となった本です。普通、噺家としての才能と、文才は両立しませんから…(^^;;。ともあれ、談春のおかげで、談志が天才と言われる由縁が記録として残りました。

ちなみに「赤めだか」とは、談志邸の庭で飼われていた金魚 -いつまでたっても大きくならない- を揶揄して、談志の弟子達がつけた名前です。

例えば、談春に対して、「形なし」と「型破り」の違いを説明し、落語の「メロディ」を崩してはいけないと諭す場面。極めて論理的です。たけしもそうですが、東京の芸人はハチャメチャに見えて、実は、非常に勉強家でクレバー。他にも鋭い名言が随所に…。

最後は、談志と彼の師匠の小さんの人間味あふれるエピソードにホロリ。落語をあまりご存じない方にもお薦めです(^_-)☆ by dan

ブルース・リー/「ストライキング・ソーツ」


今日は、ブルース・リーの誕生日です(1940年生まれなので、生きていれば71歳)。ということで、ブルース・リーの話を…。

映画「燃えよドラゴン」(1973)で世界中にカンフーブームを巻き起こした彼は、ハリウッドスターであると同時に武道家であり、そして哲学者/思想家でもありました(実際、ワシントン大学哲学科で学んでいます)

彼の映画に「考えるな、感じろ」という有名な台詞が出てきますが、まさに彼自身の言葉だったようです。

武道家は、身体を極限まで研ぎ澄ませます。これが、精神を研ぎ澄ませること、即ち、哲学者の一面につながることは不思議ではありません。古くは宮本武蔵、最近では須藤元気なんかがそうですね。

ブルース・リーの言葉や覚書をまとめた「ストライキング・ソーツ / Striking Thoughts」を読むと、彼の思想の深さがわかります。マーシャルアーツという身体表現が可能な彼のみが到達できた、東洋思想(道教)と西洋哲学を融合させた独自の境地。機会があれば、是非一読を(^_-)☆ by dan

ブルース・リーが語る ストライキング・ソーツ
Amazonで確認したところ、残念ながら絶版。図書館で探すか、英語に自信がある人はペーパーバックで入手下さい。古書が取引されていますが、あまりに高価(←なんと、37,999円!)

PS 2013/01/18現在、古書は7,000円台からあるようです。それでも高いですが…。

マーフィー×マーフィー/法則と理論 その2


その1から続く)2冊目は「マーフィー名言集」(しまずこういち編著、1984年)。潜在意識を活用した成功理論で知られるジョセフ・マーフィー。彼の言葉を主題別に編集し、解説を加えたものです。マーフィー理論のエッセンスが学べます。

突き詰めれば、「あなたの人生はあなたの思い描いた通りになる」ということですが、具体的なアドバイスや人生の処方箋が多く掲載されています。マーフィー以外の著名人の言葉やエピソードも豊富で、成功哲学の考え方がほぼ網羅された感も…。繰り返して読みたい本です。座右の書たり得る一冊。

ところで、私が所有するこの名言集、古本屋で100円で売られていました(送料別ですが、amazon経由だと1円で入手可)。古本屋だと、内容がすぐ陳腐化する俗本ほど高値がつき、内容の優れた名著ほど安値で売られる傾向にあるようです。マーフィーの法則的ですね(^^;; by dan

マーフィー×マーフィー/法則と理論 その1


最近、マーフィー本を二冊読みました(同一人物ではなく、別人の本を一冊ずつ)。対照的で面白かったです。読書の秋ということで、マーフィーつながりの2冊を紹介させて頂きます(^^)

1冊目はマーフィーの法則」(アーサー・ブロック著、2007年)。90年代前半に200万部以上売れたベストセラーの増補版です。物事がうまくいかない理由を正当化すべく?様々な法則を集めたもの。私が気に入っている法則を少し紹介すると…

  • 川は二歩で越えることはできない。
  • 人はいちばん苦手な分野を専門とするものだ。
  • ひとりからアイデアを盗むと盗作になるが、多数の人間から盗むと研究になる。

なかなか鋭く、洞察に富んでいます。また、どのフレーズを気に入るかで、その人のキャラクター、置かれている状況等が透けて見えるところも侮れません。ちょっぴり知的な?息抜き本としてどうぞ(^_-)☆(その2に続く) by dan

里芋パスター


タンスやベッドに足を思いっきりぶつけた(゚o゚;;。そんな経験は、誰でもありますよね!? つい最近、danがやっちゃいました(笑) 足の小指が腫れて、翌日には紫色になり、歩くのも痛くて足をひきずるような状態。これはちょっと何とかしなければ…と、思い付いたのが、里芋パスター

少なくとも、腫れと痛みは軽減されるだろうと、寝る前にやってみました。ちょうど以前使った里芋粉があったので、簡単に出来ました。そして翌朝、ガーゼを取ってみると、やや腫れが引き、紫芋状態だった色も、赤味をおびた肌色になっていました。痛みも和らいだようでした。恐るべし、里芋パスター!

昼間は、靴下や靴が履けなくなるので、寝る時だけ続けてみました。3日程で、ちょっと腫れて赤っぽい、という状態まで治ってきました。里芋パスターは、いろいろある正食の手当法のひとつですが、改めて凄さを実感しました。 by ichi

■ご参考 書籍のご案内/正食協会の本

自費出版の話


私がお世話になっている方が、自費出版で本を出されました。「元気出そうよ、アラ60歳!」(藤田侃著/清風堂書店)という本です(右写真)。数年前に大手アパレルメーカーを定年退職し、現在は人材紹介会社を経営されている藤田さんが、「定年退職者にエールを送る」をコンセプトに「気の赴くまま、自由に、元気に!」書かれたエッセイ集です。

頂いた本を、早速、読み始めたのですが、ボリュームといい(270頁)、バラエティに富む内容といい、初めて出された本とは思えませんでした。広報企画の仕事をされ、大学の講師経験もある方ですから、人に読んで頂く文章がどうあるべきか、ツボをきちんと押さえていますね。一気に読み終えてしまいました。さすがです。是非、続編(アラ70歳!)を読みたいと思いました(^^)

今回の出版でお世話になった清風堂書店(出版部)さんは、地下鉄東梅田駅のすぐ近くにあります。藤田さんから「本を出したい」という話を伺った時、清風堂書店さんのことが頭に浮かび、御紹介した経緯があります。藤田さんも、気持ちよく本が出せたと仰っていますので、自費出版をお考えの方は是非御検討下さい(^_-) by dan