(番外編その1より続く) 天才パイロットの宮部久蔵(右写真)は、部下の名前を呼び捨てできない軍人でした。小説によれば、裕福な家庭に育ち、15歳まで幸せな生活を送っています。父親が事業に失敗して自殺、その半年後には母親も病死するという悲劇が重なり、海軍に入隊せざるを得なかったのです。言葉遣いに育ちの良さを感じさせるのはそのためです。
また、宮部は頭脳も優秀でした。一高(現在の東大)に進学するか専門棋士(囲碁のプロ棋士)になるかで真剣に悩んだというのですから、天才の域。小説では、2子の置碁(相手に有利なハンデをつけた対局)でセミプロ級の上官を一蹴する場面が描かれていました。こんな頭のよい、しかも紳士然とした男が、身体能力抜群の凄腕パイロットなのです。「ゴルゴ13じゃあるまいし、そんな人間おらへん!」と思っていました。
ところが、映画を観て、本物の宮部久蔵がいる!と唸りました。山崎貴監督が、宮部は岡田准一以外に考えられないと言っていたわけです。映画「天地明察」(2012年)の安井算哲(碁打ち=天文学者)然り、NHK大河ドラマの軍師:黒田官兵衛然り、若手俳優で、知性を感じさせる役をやらせたら、彼がピカイチですね。NOLTY(能率手帳)のCMなんか、彼のイメージをうまく生かしていると思います。かと思えば、超ひらパー兄さん(左写真)も引き受ける懐の広さ、郷土愛の深さ^^;;。今後の彼の活躍が楽しみです^^(続く) by dan