Monthly Archives: 3月 2021

さくら豆腐/Steamed tofu with salted cherry blossoms


つい最近、大阪時代のお客様(男性)が、ご来店くださいました。奈良へ移転後、初めてのご来店です。大阪では数回 来てくださったとのこと、お顔を見れば、分かるかなー?と思いながら、お迎えしました。ハイハイ、お顔もお声も、覚えています!あぁ、懐かしい~(^o^)

右上写真は、近鉄・西ノ京駅のホームから見える桜です。

お食事の途中で、「美味しいな~~」としみじみと おっしゃってくださいました。「昔は、腹が膨れれば良い、と思って 何でも食べてたけど、今は 味わいながら食べるようになりました。いや~、本当に美味しいなー。」その感じたままのお言葉は、とてもとても、嬉しいものでした。料理人冥利に尽きる、そんな温かい言葉でした。感謝!(自慢話に聞こえたら、ごめんなさい)

各地で、桜が 既に見頃となっていますね。お花見、急がないと!今日のお料理は、桜の季節にピッタリの「さくら豆腐」です。桜の塩漬けを練り込んだ 蒸し豆腐です。「桜餅みたい~」と、召し上がったお客様が、言っておられました。なるほど、一口食べて、口の中に広がる香りは、確かに桜餅!毎年、4月半ば位までの、期間限定で出しています。この春も、沢山のお客様に召し上がっていただきたいです。 by ichi

芹の白和え/Wild parsley with mashed tofu


早春の明日香村を訪ねました。2~3年ぶりかも…。明日香村は大好きな場所で、若い頃から 一人でもよく行って ぶらぶら歩きをしていました。でも、この時期に行くのは、初めてかもしれません。久しぶりの明日香村は、梅が咲き、冬枯れの中に芽吹きの緑色が生き生きと見られ、その豊かな自然は、心が安らぐものでした。あ~ やっぱり良いな~~~(*^^*)。いっそ明日香村に住むのも良いかもねー、なーんて、そんなことをぼんやり考える春です。

さて、今日のお料理は、明日香村で買って帰った「芹」です。芹の白和えを作りました。芹を湯がくと、清涼感のある爽やかな香りがします。芹さん、きれいな水場に居たんだもんねー、などと芹に話しかけながら(ちょっと怪しげ 笑っ)。そして、「せり」の語源である、競り合って生える強さも、同時にいただきましょうo(^o^)o

しっかり水切りした木綿豆腐は、以前はすり鉢ですって潰していましたが、裏ごしした方が、滑らかでクリーミーな和え衣ができることがわかりました。それからは、ずっと裏ごししています。そのお豆腐を、塩・白味噌・白ごまペーストで味を整えて、湯がいた芹と和えると、ほらっ!春らしいひと品ができました(左写真クリックで拡大) by ichi

大和当帰葉/Angelica acutiloba


春を感じる日が、だんだん多くなって来ました。気象庁の発表では、この冬は非常に寒くなるかも…という予測でしたが、それとは反対に、結構、暖かかったように思います(ひょっとして、暖冬だった?^^;;)。それは、庭の花たちの咲き始める時期からも分かります。いつもは4月にならないと咲かなかった鉢植えのクリスマスローズが、もう沢山咲いているのです。毎年、桜の後に咲くアケビは、早くも蕾をつけてスタンバイ。もうすぐそこに、春の足音が聞こえて来る、そんな感じですね(^^)

さて、今日のお料理の紹介です。「大和当帰(やまととうき)」。余り聞きなれない、或いは、見たこともないという方も多いかもしれません。私もほんの数年前に摘み菜の講座に参加していた時に、初めて知ったように記憶しています。この大和当帰、根は婦人病や血流の改善、滋養強壮、鎮痛などに効果のある生薬として、様々な漢方薬に使われてきました。奈良で栽培されてきた「大和当帰」は、最も高い品質を誇るとのことです。

近年、その「葉」が注目されるようになり、栽培が促進されています(上右写真)。と言っても、まだまだ希少で、いつでも どこでも手に入る訳ではありません。先日、月ヶ瀬に観梅に行った折りに売っていたので、やったー!とばかりに、即 買いました。当帰の葉は、ビタミンやミネラルを豊富に含むことも、明らかになっています。

その当帰葉をさっと湯がいて、和え物に。塩もみしたハクサイとかぶら、そして、ひじきと一緒に和えました。当帰の香りはセロリに似ていて、なかなかの存在感。胡麻とお酢でドレッシングを作って、深みのある仕上がりにしました(^_-) by ichi