No.70の記事

寺西家阿倍野長屋

 先日、久しぶりに訪れた、大阪市阿倍野区阪南町のローカルネタです。

アップロードファイル 49KB 左の写真、暖簾の"混"という文字に注目して下さい。実は、全国で唯一残っている「混浴」の銭湯屋さんなのです!!...というのは冗談で(^^;;、本当は、フレンチをベースにした個性的な料理を提供する「KITCHEN BAR 混」というレストランです。

 フレンチ系の食事処に、和風のたたずまいが新鮮な取り合わせですが、ここはもともと長屋だったところを再生したもの。その昔、といっても大大阪(だいおおさか)と呼ばれた大正〜昭和初期にかけての時代ですが、大阪にはいたるところに長屋がありました。この建物は昭和7年に建てられた4棟続きの長屋で、当時の住宅開発地に残る長屋建築の好例として、長屋として全国初の登録有形文化財に指定された建築物なのです(「寺西家阿倍野長屋」と呼ばれています)

アップロードファイル 53KB この長屋がある阪南町周辺(地下鉄御堂筋線昭和町・西田辺や谷町線文の里の辺り)には、他にもたくさんの長屋があります。寺西家阿倍野長屋は、再生される前から良く知っているのですが、傍目には、もうマンションに建て替えられても仕方ない、かなり老朽化した建物という印象でした。

 ところが、ある日、突然工事が始まったかと思ったら、取り壊しではなく、改修されて新築のような建物に生まれ変わり、「登録有形文化財」というプレート(右写真)が貼られ、しゃれたレストラン等が入居して営業を始めたので、もうびっくり!!です(笑) 余談になりますが、この登録有形文化財の登録件数は、全国で大阪府が一番多いのだそうです(ここを参照)

アップロードファイル 59KB 再生の経緯については、「大阪人」2005年6月号に掲載されており、内容の一部があるブログで紹介されています(孫引きでスミマセン) ただ、周辺の長屋事情を知っているdanからみると、「登録有形文化財」クラスの建物がこの近くにはゴロゴロあります(^^;; (ちなみに、寺西家阿倍野長屋が登録有形文化財認定されたのは、平成15年12月)

 実際、この長屋のすぐ隣の一角の土蔵風の建物が改修されており、「この建物、店舗としてお貸しします」という貼り紙がありました(これ) 周辺を散策すれば、他にもありそうですね(^^)