No.307の記事

坐禅断食(2010年5月)

 5月最後の週末、坐禅断食に行ってまいりました。今年は3月に続いて2度目、通算6度目になります。いつも通り、広島の坂田道信先生のところ(御縁庵)で、お世話になりました。前回が3月だったので、次はもう少し間を空けて7月以降にしようかな…と内心思っていました。ところが、イエローハット創業者・鍵山秀三郎相談役が、参加されるとお知らせをいただき、この機会を逃しては、なかなかご一緒させていただけないかもしれない、と思ったので、是非にと参加を申し込んだのでした。

 鍵山先生の御本は、これまで3冊読んだことがあります。

 「掃除道」:トイレ掃除によって荒廃した学校を立て直した話など、感動しました。
 「仕事の作法」及び「人生の作法」:「凡事徹底」「率先垂範」「来る人には楽しみを、帰る人には喜びを」など、常に覚えておきたい言葉が沢山あり、手帳に書き留めてあります。

 どれも非常に感動し、尊敬の念を抱いていたものですから、お会いできるのがとても楽しみでもあり、ちょっとばかり緊張でした。

 1日目の自己紹介の時、腰痛のため、椅子に座っての参禅に、「こんな失礼な格好で…」と何度も繰り返される鍵山先生のお言葉と、にこやかな笑顔に、企業のトップとは思えない安らかなものを感じました。まさにお人柄は顔に出るのだなあ、と思いました。

 そして迎えた断食2日目。久しぶりに苦しい思いをしました(苦笑)。排毒がきつくて気持ちが悪く、坐禅をこなすのが精一杯。坐禅と坐禅の間の休憩時間は、ずっと寝ていました。鍵山先生も腰痛がおつらかったようで、休憩中は別室で横になっておられたようです。結局2泊3日中、直接お話をすることもなく、明けの食事をいただき、最後の反省会を迎えたのでした。

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 お話はできませんでしたが、鍵山先生の温和な笑顔と、お話からにじみ出てくる謙虚なお心に触れることができただけで、充分でした。一企業を興し、トップに立ち、それでいて、朝から会社及び会社周辺の掃除を続けられ、「日本を美しくする会」「掃除に学ぶ会」等の活動にもなくてはならない方で、講演会も引っ張りだこ状態。それでも謙虚でおられることに、心から感動しました。「トイレのスリッパ事件」もご愛嬌。謙虚と言えば、坂田先生も大勢の方から先生と呼ばれる存在でありながら、謙虚でいらっしゃる、それが皆に慕われ尊敬される所以なのでしょう。

 断食3日目は(前日のあの苦しかった思いはどこへ行ったのかという程)ケロリと元気になり、明けの食事も美味しくいただきました。鍵山先生とは、最後に握手をさせていただき、写真も撮っていただきました。お話はできなかったけれど、先生の存在感そのもので、充分過ぎるくらいでした。いつもながら、ご一緒させていただいた方々は、皆優しく温かく、学び多い坐禅断食でした。参加させていただいて本当に良かったと、心から思っています。